就職先や転職先を決めるときの基本として、経営理念をチェックすることがよく知られています。どのような理念で現場が運営されているのかがわかるので、共感してモチベーションを上げられる職場かどうかを判断できるのがメリットです。しかし、介護業界では経営理念にどこまでこだわった方が良いかはよく考えなければならないポイントです。経営理念にこだわったために、転職で失敗するリスクもないわけではありません。介護業界では需要が高騰している影響で、現場があまりにも忙しい状況になっていることが多いのが問題点です。その影響で、経営理念とは離れている現場状況になっていることも稀ではありません。また、経営をしているうちに状況が変わってきて、経営理念とはズレた姿勢で現場が動かされていることもあります。
勤続年数が長いスタッフが多い職場ではこのような傾向が強く、現場で培われてきた介護観が重視されていることがよくあるのが実態です。このような状況があることを理解して、現場の状況を確認してから転職するのが大切です。多くの介護施設では内定を受ける前に見学をする機会を用意してくれます。施設によっては応募前から見学することも可能です。実際に現場を見て様子を確認してみると、経営理念と合っているかどうかがよくわかります。転職を成功させるためには現場見学を希望してどのような働き方をしているかをじっくりと観察し、スタッフの話を聞いてみることが大切です。
気持ちよく働ける介護の現場を見つけるためにも、経営理念と働くスタッフの姿勢を確認することは欠かせません。